代表挨拶

JUON NETWORKの理念と活動

2012年6月に開催された第14回総会後の理事会において、退任された田中学前会長のあとを引き継ぐかたちで、会長を仰せつかりました。会員の皆さんとともに、また、日頃からご支援をいただいている個人や企業や団体の皆さんとともに、JUON NETWORKの活動の充実をはかり、また着実な広がりを実現するために、微力を尽くしてまいる所存です。よろしくお願い申し上げます。

JUONが大学生協の音頭で産声を上げたのは1998年の4月。設立の背景のひとつは、大学生協が廃校の校舎を学生のセミナーハウスとして活用したことでした。そしてもうひとつの契機が、1995年1月17日に発災した阪神・淡路大震災被災地の支援活動。こんな生い立ちを持つJUONですから、2011年の東日本大震災の被災地支援についても、原点を噛みしめる活動として取り組んでまいりました。また、東日本大震災の被災地の多くは農山漁村であり、支援活動は設立理念である「都市と農山漁村の人々をネットワークで結ぶ」ことにもつながると考えております。

設立当初からの活動である「樹恩割り箸」も、全国5つの工場で生産されるまでに広がりました。また、森づくりの体験イベントとして、「森林の楽校」が2021年には18カ所で開催されます。さらに援農体験イベントの場である「田畑の楽校」も、山梨県の「ぶどうの丘」に続いて、長野で「北信りんごの里」、三重で「南伊勢のみかん」、和歌山で「熊野の棚田」がスタートするなど、新しい試みとして定着しつつあります。これらの活動にお力添えをいただいている関係者の皆さんに、心からお礼を申し上げる次第です。

課題もあります。割り箸の利用拡大や次世代のリーダーの養成などです。このほかにも理事会や常任理事会の場では、会員や関心を寄せいただいている皆さんを念頭に、農山漁村の良い産物をつなぐ仕組みといったアイデアについても、議論を重ねております。今後とも、身の丈にあったかたちで、課題の克服や新しい挑戦にも知恵を絞ってまいりますので、忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸いです。

JUON NETWORKには日本のNPO法人制度とともに歩んできた面があります。1999年には前年12月に施行された特定非営利活動促進法(NPO法)に基づいて、NPO法人格を取得いたしました。そして2011年には、同年のNPO法改正で新たに設けられた認定NPO法人となりました。活動内容の公益性と活動資源に占める寄付金のウェイトなどの要件を満たしていると認定されたものです。

最後になりましたが、会員の皆さんには積極的なご参加と仲間の着実な拡大をお願いし、日頃からご助力を賜っている個人や企業や団体の皆さんには、今後とも変わらぬご支援のほどをお願い申し上げ、ご挨拶に代えさせていただきます。
 
会長 生源寺 眞一
(福島大学教授)