設立間もない1998年の活動



 

廃校シンポジウムの開催

1998年10月29日〜30日に利賀村のStarforest利賀で、JUON NETWORK主催による「樹恩シンポジウム『廃校を問い・過疎を考え・未来をデザインする』」が開催されました。このシンポジウムには21市町村の行政関係者や大学生協、一般参加者合わせて約100人が参加し、廃校を活用することで村の活性化に繋がるという、過疎地の未来を討論するものでした。利賀村を見学した後、Starforest利賀が紹介されました。夜の部では様々な廃校の再利用の提案がされ、インターネット上で廃校後も授業を行っている高知県電脳中津川小学校などが例として挙げられました。また、廃校を使い、不登校児のための学校や、障害児のための学校など、新しい学校づくりも廃校の活用方法として挙げられました。

【 キー オピニオン 】
今、児童数減少という理由で統合されていく各地の学校の姿から、明治以来続いてきた日本の教育や社会の仕組みを問いなおす必要があるのではないか。それぞれがもう一度問い直し、反省し、そこから新しい教育を出発させよう。今廃校から本当の教育が出発するのです。
(JUON NETWORK会長 大内力:1998年11月)


 

大学の森での林業実施研修

この夏の7月15日〜17日、JUONの「大学の森」で徳島大学総合科学部の「地球の未来と森林」を受講する学生達12名が自主研究レポートを書いた後、2泊3日の林業実施研修に参加しました。授業は「人間生活との関係から、森林の社会的・経済的効果に関する技術の活用を学び、それが地球の未来にどのような変化を与えていくのかを実習する」というものです。1日目は森林体験学習として、下草刈りを行い、2日目は枝打ち、枝打ちロボットの実演見学とチェーンソーを使っての間伐実習を行いました。また、3日目は森林観察で、ミニハウス工場、集成材工場や割り箸工場を見学。その後、学生達の研究発表に地元林業家がコメンテーターとして参加し、農山村の人と学生達の交流が行われたのです。ここで学生達は「森の木を切ってはいけないと思い込んでいたが手入れする事、間伐が大切」などと発表しました。これにより教授の「地球環境を守るためには身近な森林を守る。そのためには地域林業を守ることが急務である」という言葉が共通認識になりました。