JUON NETWORKの創立


全国大学生協連の1997年度理事会における委員会の一つであった「人・時・自然・環境委員会」の中間答申で起案された、環境保全や農山村の活性化に取り組む組織は、準備会、発起人会を経て1998年4月にJUON NETWORKとして創立されました。
 
創立記念シンポジウム 
「大学の森」のオープン 
 
 

JUON NETWORK創立総会

1998年4月27日、池田町(現・三好市)にて、JUONの創立総会とシンポジウムが行われ、28日には大学の森オープンセレモニーが井川町(現・三好市)で行われました。創立総会は、地元の方250人、富山県利賀村(現・南砺市)、埼玉県神泉村(現・神川町)、畑野町(現・佐渡市)猿八地区や大学生協の関係者150人、合わせて約400人ほどの参加で開催されました。創立総会は約1時間で行われ、発起人会より経過報告、設立趣意書、会則などが提案され、承認されました。また、会長や理事の役員の選出も行われました。

創立記念シンポジウム

創立総会の後、記念シンポジウムとして大内会長の講演、様々な分野の人によるパネルディスカッション、そして、阿波人形・佐渡猿八文弥人形などの上演が行われました。

大内力先生の講演では「JUON NETWORKへの思い」と題して、都会の人たちと農山村の人たちのコミュニケーション、双方の理解を深めることが、これからの日本にとって大切なこと、また、教育の問題を考える問いに、山村、森林、田園、川、海の持つ意味が重要なことが話され、その二つが結びつくところにJUON NETWORKの意味があるということを言われました。

森と文化のネットワークをつくっていくための具体的な方策をJUONの中で一緒に考えていかなければならない。また、ボランティア精神を育てていきながら、JUONを軸として新しいネットワーク・社会を具体的にどうつくっていくか考えていきたい。
東京大学名誉教授(林政学・森林文化学) 筒井迪夫

山林が活性化することは、伝統文化の承継者が生まれることにもつながる。都市との情報・人的相互ネットワークにより、文化価値の発信・再認識をすれば、地元の方々の伝統文化への継承意欲が再生される。JUONは、このようなネットワークの核になるのではないか。
文化庁主任文化財調査官 宮田繁幸

障害者が地域で暮らして行くことを目指すとともに、日本全国に障害者の職場を創出していきたい。自分もどこにでも飛んでいくし、JUONにも期待している。
社会福祉法人千鳥福祉会理事 木元理夫

来てもらうこと、或いは林業体験を通じて、山林の状況を知識・身体の両面で知ってほしい。山づくりの評論家ではなく、当事者として実際に参加してほしい。JUONが農山村と都市がともに共生していくための大きな交流の場となることを期待している。
徳島県三好郡井川町長 中瀧清文

バックアップがあって初めて、夢が実現するし、若者はパワーのきっかけをもらえるのではないか。JUONには若者をバックアップしてほしいし、若者パワーが会の中で生まれれば、会の発展になると思う。
仮設学生寮建設ボランティア 山本学

【 キー オピニオン 】
今直面している問題が複雑で解決するには困難であり、人間が人間らしく力を合わせて立ち向かって行くことが求められている。今回大学生協が中心となって、その精神を持ち、しかもネットワークという形の素晴らしい組織を作られたと思う。私はこのことを一人の人間として喜びたいし、今後も協力していきたいと思う。
(日本生協連会長理事 竹本成徳: 1998年)


「大学の森」のオープン

「大学の森」は徳島県三好郡の森林約3.3ヘクタールで、樹齢30年から40年の杉、唐松や檜の混合林です。学生の「森林の楽校」の開催や森林体験実習、または地域の方々を講師とした様々な生活体験や文化体験講座の開催などを想定しました。 徳島県三好郡との関わりは阪神淡路大震災の仮設学生寮の提供から続いていて、毎年「ボランティア交流会in徳島」という名前で行われてきました。JUON設立とともに、「大学の森」が設置され、JUONはそこで「四国のへそ 森林の楽校」を毎年行っています。